株式会社 山王  
Aランク評価事業の概要

事業化 「自動車のポールジョイント等へ使用されるエラストマーと金属の複合成型体の開発と事業化」
概要  自動車の車体重量を車輪で支えるサスペンション機構は、路面の振動やショックをバネで緩和する構造となっており、機構的に自在に角度を変えることのできるポールジョイントという部品が使用されることがあります。この部品の摺動部は、走行時には粉塵等の進入から保護される必要があり、用途に応じてゴム製カバーが取り付けられてます。
 そこで、当社は、従来のゴム製に替えて射出成形法によりエラストマーと金属の複合成形体から成る防塵カバー等を生産する技術を開発し、部品の販売を開始しました。
 技術的には、金属を機械的に覆った樹脂中間体を1回目の射出成形により形成し、この表面と密着性の良いエラストマーを2回目の射出成形で形成し、金属とエラストマーの復号成型体とする製造工法を開発しました。これにより、ボルト止め部分に金属の座金機能を持たせ、防塵カバー部は車体の揺れに対して変形する弾性機能を持たせることが可能になりました。
 この技術によると、従来の圧縮成形により製造されるゴムと金属の接着複合体に比べ、射出成形にyろう製造工法であるため生産スピードが革命的にあがり、約半分の製造コストを実現することができます。
 今後、当社は、本エラストマーと金属の複合成型体の製造工法の量産技術を今秋確立したことから、2004年1月から応用展開に本格的に取り組んでいきます。
 また、環境面においては、ゴム製品は材料へのリサイクルが困難ですが、本製造工法で使用する射出成形エラストマー材料は、マテリアルリサイクルを可能とするメリットもあるこtから、本エラストマーと金属の複合成型体の製造工法は自動車関連部品をはじめ複写機等に広く利用できるものと大いに期待されます。

●「めきき・しが」について

 (財)滋賀県産業支援プラザが主体となり、成長可能性が高く、将来的に有望な企業を発掘して、その企業に対する総合的継続的な「育て上げ」型支援の提供に結びつけ、他の支援事業も活用することにより施策効果を高めることを目的に、技術の先進性・ノウハウの独自性・市場性等、事業の可能性について評価するものです。
 委員会は、林廣茂・滋賀大学経済学部大学院教授を委員長に、企業経営者や大学教授等の学識経験者からなる委員で構成され、4年目を迎える本事業は「めきき・しが」と命名されました。
 
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